こんにちは。
横浜市泉区 1000㎜²の大きいフラワーアレンジメント教室
ブーケット パフュームの相沢 知美です。
本日は
【お花 水揚げ】延命剤、界面活性剤(銀イオン)で花が長持ちする理由、水揚げの効果
について
ブーケットパフュームの1mを越す大きいフラワーレッスンの作品と共にお話をしたいと思います。
花持ちがよくなる延命剤でお花長もち
花屋で花を買うとよくサーピースとしてついてくる延命剤。
この延命剤の中には糖分と殺菌剤が配合されています。
切花はただお水に挿しておくだけより、延命剤を入れたほうが花が長く元気な状態で楽しむことが出来ます。
従って、生花店が花を市場から仕入れ、水揚げをする時にも必ずこの延命剤を桶の中に入れます。
また、延命剤には2つのタイプがあります。
一つは糖分(ブドウ糖、ショ糖、マンニトール)と殺菌剤が配合された製品。
もう一つは界面活性剤(銀イオン)です。
では、この延命剤に含まれる糖分と殺菌剤。界面活性剤(銀イオン剤)の役割についてお話をしたいと思います。
花に糖分が必要なわけとは
花は切り取られた瞬間から根からの栄養の補給が出来なくなります。
それは私達で言う食事が出来なくなる事と同じことになり、花は少しずつ元気がなくなります。
更に、光合成による糖の補給も室内の光では不十分となります。
この対処法として切花や切り取った葉に3~5%程のブドウ糖やショ糖を与えられ延命効果が期待されてきました。
そもそも花というのは開花にとても大きなエネルギーを使います。
特に、キンギョソウのような花が次から次と咲く花に効果が見られます。
従って花を咲かせるにはこの糖分の補給は非常に有効とされます。
また、メーカーによっては栄養分が控え目でゆっくりは花を咲かせるタイプ(クリザールの遅咲き用)もあります。
◆参考記事~フラワーアレンジメントを長持ちさせるコツとは
延命剤の主な製品
・クリザール(切り花用延命剤)
~花の先進国オランダの製品。会社設立から80年の歴史がある。蕾の状態から綺麗に開花すると評判。
主成分・・糖分、防菌剤、有機酸
・キープフラワー
~1970年代から続くロングセラー(つぼみを開かせたい時は希釈率わ40%程にすると良い)
主成分・・糖分、有機酸、有機酸塩、防腐剤
・フローラライフのクリア200.ローズクリア200
~同製品の水揚げ促進剤(クイックディップ)のご使用後お使いになるとより効果が期待されます。
主成分・・糖分、㏗調整剤、ミネラル
代用品で花持ちをよくする方法
ご自宅にあるお砂糖で代用できます。
この場合、1リットルの水に対し10から20グラムを目安に入れて下さい。
また、砂糖を入れた場合、水が濁りやすくなるので漂白剤との併用をお勧めします。
殺菌剤、水替え、切り戻し。花持ちを良くする為に必要な訳とは
花瓶の花は水の中でバクテリア、カビが発生します。
このバクテリアとカビの繁殖は切り花の延命に大きく関わります。
何故なら茎の中には細かい管が沢山ありこの管によって水を吸い上げています。
しかし、バクテリアやカビが繁殖するとこの管の通管組織を詰まらせてしまいます。
花瓶の中の花の切り口を見ると色が変わっているのをご確認できると思います。
これは茎の中の導管組織が詰まっている証拠です。
また、皆さんも水に浸っている茎が解けた状態になっていたり、水が濁ったりするのをご覧になった事があると思います。
これもバクテリアとカビによるものです。
従って水をこまめに取り換える事はこのバクテリアとカビの繁殖を防ぐためです。
また、その際、花瓶の内側もぬめりがついています。
花瓶も綺麗に掃除をしてから新しい水を入れ、そして色が変わっている切り口を切り戻してあげる事により花が長持ちするわけです。
《主な製品》
ほとんどの延命剤に配合されています。
《代用品》
・10円玉(銅イオンから効果が期待されます)
・氷(水温が下がりバクテリアやカビの繁殖を一時的に抑える事が出来ます)
・漂白剤
お花に界面活性剤(銀イオン)が必要なわけとは
界面活性剤(銀イオン)には花を老化させてしまう植物ホルモンである「エチレン」の発生を抑制する効果があります。
そのため界面活性剤を利用する事で花を長く楽しむ事が出来ます。
この界面活性剤(銀イオン)に効果が期待できる花は
カーネーションやスターチス、スイートピー、トルコキキョウ、デルフィニウム、ラン、キンギョソウ、バラ、ストックです。
そして、真鍮、銅、ステンレス素材の花瓶や花器は腐食させてしまう為使用には注意しましょう。
《主な製品》
・花イキイキ
・花王PAT
抗菌剤に銀が含まれている場合があります。
《代用品》
ご家庭にある台所用中性洗剤が利用できます。
◆参考記事~花瓶の水替えの頻度、花を長持ちさせる管理方法
まとめ
さて、花を長く楽しむ事のポイントは糖分で栄養を与え、殺菌剤で清潔を保ち、そして界面活性剤(銀イオン)で花の美しさを保持する事がお分かりになったと思います。
あまり、手間をかけすぎてかえって花を飾る事が楽しくなくなるのでしたら、せめて水替え、切り戻し、漂白剤だけでもしてあげると良いです。
特に、温かくなってくるとバクテリアとカビの繁殖は活発になりますのでご注意ください。
万が一、花の水替えを忘れてしまった。忙しくて出来なかったという場合でも漂白剤だけでも入れておけばバクテリアやカビの繁殖を抑えてくれているので安心です。
そして、バラの延命には、専用の延命剤を使用する事で花持ちが一般の切り花延命剤に比べ1.2~1.5倍長持ちします。
一日でも長く花を楽しみたいと願う私たちにとってはこの期待は大きく嬉しいものだと思います。
更に花を老化させてしまうエチレンに関しては、遺伝子の組み換えにより老化しない花を作る技術の研究がされているようです。
これも又、非常に興味深く、今まで花は長持ちしないから・・という理由で花は好きでも飾る機会が少なった方には花を飾る機会が増えるのではないかと今後の楽しみ方に大いに期待できるのではと思っています。
もう一つ、この花の処理については「前処理」と「後処理」と2つの処理に分けられる。
主に、糖分を与え、花に栄養を与える事が前処理と言い。
市場から仕入れた花を生花店が時におこ水替えの時や、自宅で花を楽しむときに行う処理の事で、花を長持ちさせるための界面活性剤(銀イオン)を与える事を後処理言います。
ただし、栄養剤と界面活性剤の両者はメーカーによっては1つになっている製品もありますが、前処理用(水揚げ促進剤)と、後処理用(延命剤)と分けられているメーカーもあります。
延命剤を購入の際は成分を確認し自分が何に使いたいかも考え購入すると良いでしょう。
また、購入は生花店、ホームセンター、ネット通販でご購入いただけます。
自宅で花を楽しむとき、フラワーレッスンの花として仕入れたときなど是非ご参考いただき花を元気にしていただきたいと思います。